今回はカート・ヴォネガット著「タイタンの妖女」をご紹介。
ずっと読もうかなと思ってなかなか手が出ていなかった小説です。
爆笑問題の太田光の愛読書として有名ですね。あまり深く考えずに楽しんで読めば良い小説、だとは思います。ただ、なぜ作者はこんな小説を書いたのかな、と言うところは少し考察して見たくなる、そんな小説です。
「自由意志」と言うものがこの小説の重要なテーマであることは間違いないでしょう。それから所謂「神の意志」も。一見、作者は「自由意志」も「神の意志」も否定しているように読めます。時間等曲率漏斗に飛び込んだウィンストン・ナイルズ・ラムフォードはあらゆる時間に偏在しており、未来に起こることも全て知っている。従って未来は決まっており、運命は変えられない、と言う事になります。そしてラムフォードは「徹底的に無関心な神の教会」と言う宗教を起こし、その教祖となります。要は神様は人間のやることになんか全く無関心、天国に行く為に神に信仰を捧げるなんて意味がないんだと言う宗教です。運命は自由意志や努力でも変えることは出来ないし、神に頼ってもダメ。虚無的になりそうな話ですが、小説を読み進むと何重にも重なって「ひょっとしたらそうでも無いかも」と思えるような展開になります。
ラムフォードにより火星軍人として操られていたアンクとその親友のストーニィ・スティブンソンは脳に埋め込まれたチップに反抗して真実を探り出そうとします。一方ラムフォードも含めて全人類がトラルファルマドール人に操られていたことが判明。トラルファルマドール人は人類にとって神と言ってもよいような存在になる訳です。が一方現在のトラルファマドール人は作られた機械に過ぎない。しかし機械に過ぎないトラルファマドール人のサロは命令に逆らって友情の証にメッセージの中身をラムフォードに伝えようします。結局最後はサロはそのメッセージを1800万光年先の島宇宙にメッセージを届けようとする訳ですから、何も変わらなかったということにもなりますが。結論は出ないまま。読者なりに考えれば良いというところでしょうか。
「兎も角私に言えるのは、私がトラルファマドール星人の抵抗不可能な意志に奉仕しながらも、故郷の地球のために最善をつくそうとしたことだ、、、、たぶん、地球人はやっとこれから自由な発展をとげ、自分たちの好きな事が出来るようになるだろう。ここ何万年ものあいだ、彼らにはそれが出来なかったのだ。それなのに地球人がとにかくあれだけの意味をなすことがやれたというのは、驚くべきことだよ」
なるほど。やっぱり少しずつは運命を変えることが出来るということですよね。多分。
音楽の方はここ2-3か月の間に聞いていたプレイリストからの抜粋です。小説の雰囲気に合っている曲を選んだつもりですが、、古っぽいサウンドが似合うと思います、、、
完全に個人的感想ですが('◇')ゞ
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
[http://:title]music.apple.com
1曲目:Adekaemというのはポーランドのプログレッシブ・ロックバンドです。どちらかと言えばポップな感じのプログレです。11曲目も同じバンドです。
2曲目:The Silent Leagueです。Adekaemと同様ポップな感じのプログレと思いますが、Post-Rock, Chamber pop bandと言う書き方なのでプログレとはカテゴライズされていないようでもあります。8曲目の同じバンドです。
3曲目:Sean FilkinsはBig Gig Trainの元ボーカルです。他にもいろいろなUKのプログレバンドで活躍していたみたいです。
4曲目、6曲目:Caravanというバンドの曲ですが、どうやらプログレバンドの「Caravan」とは違うようです。サウンドも異なりますね('◇')ゞ、、でも古っぽいサウンドが「タイタンの妖女」の雰囲気にあっているように思うので入れました。(完全に個人の感想です)
5曲目:Trees、これもプログレではないですが、やっぱり古っぽい音が合っていると思います。
7曲目:iamamiwhoami(アイアム・アムアイ・フ―アムアイと読むようです)。スウェーデンのSSWで、本名はJonna Leeと言うようですが「Ionnalee」と言う別名でも活動しているようです。これもプログレではないですが。
9曲目、10曲目:Strawbsです。1974年のアルバム「Ghosts」から2曲。やっぱりこういう古っぽい音が「タイタンの妖女」には合う気がします。
12曲目:Melissa EtheridgeはアメリカのSSW。これもプログレではないです('◇')ゞ
13曲目:Steve Hackettは元ジェネシスのギタリストですね。だからプログレです。
14曲目:これも古っぽい音で曲は完全にポップ調の曲ですがAnnie Hasramはルネッサンスのボーカルなのでプログレという事にしましょう。
15曲目:The Flower Kingsはスウェーデンのプログレッシブ・ロックバンドです。Adekaemなんかと同様にポップな路線の曲が多いようです。
16曲目:Karnatakaの最新アルバムからの曲です。新しいヴォーカリストはSertariと言う名前のようです。この曲はツインボーカルのようですが、最後の少しだけメロディが変わるところが良いですね。
全体的にプログレ色が薄い曲が多いし5曲は完全にプログレではないので、看板に偽りあり、でしょうか('◇')ゞ、、でもこうして聞いてみるとプログレとプログレ以外の違いって、そんなに大きくないような気もします。
では、久しぶりに雄たけびで終わります。
[http://
にほんブログ村:title]