伊藤博文は明治維新前に仲間5人と共にイギリスに密航しています。そしてその時にまだ若干10歳のホームズとその兄マイクロフトに出会っていた、、、('◇')ゞ、、、
「最後の事件」でホームズは、モリアーティー教授と共にライヘンバッハの滝に落ち、その後3年間は姿を見せていません。この期間はシャーロキアンの間では
「大空白時代」と呼ばれています。この間どこで何をしていたのかの詳細は明らかにされておらず、アジア方面に行っていた、とか欧州からアフリカに渡ったとか諸説ありますが、この辺りもホームズ・パスティーシュを書く作家たちにとっては創作意欲を掻き立てるところでしょう('◇')ゞ、、、
この小説では何と、日本にやって来ていた、と言う話。
1.時期
伊藤博文とホームズの最初の出会いは伊藤博文がイギリスに密航していた1864年。但し、メインのストーリーは1891年5月4日のライヘンバッハの滝から始まります。
2.登場人物
・ジョン・H・ワトソン:登場。但しこの小説の語り部はワトソンではありません。大空白時代の間はワトソンはホームズとは会っていませんので、当然ですが、、、。
・マイクロフト・ホームズ:登場。ホームズを日本に旅立たせるお膳立てをしたのはマイクロフトです。この小説ではホームズのマイクロフトに対する反感とか劣等感、兄弟関係というのも一つのテーマになっています。
・メアリー・モースタン(メアリー・ワトソン):登場しない。ワトソンの出番もあまり無いので仕方がありませんが。ちなみにメアリーが亡くなったのもこの大空白時代の間というのが一般的見解になっています。
・レストレイド警部:登場、と言っても最後の最後、ワトソンが過去を回想しながら「空き家の冒険」を執筆している中で、なので実質的には登場していないのと同じですね。
・ジェームズ・モリアーティ:登場。でもこちらはほんの最初だけ、です。
大空白時代で、主たる舞台は日本ですから上記の主要登場人物の出番が限られているのは仕方が無いですね。日本では伊藤博文以外にもその妻子や、井上馨や陸奥宗光等が登場します。その他ロシア皇太子であるニコライ二世を現役の警官が襲撃したいわゆる
大津事件に関係する人々が登場します。
作者は松岡圭祐。「万能鑑定士Qの事件簿」や「探偵の探偵」等のシリーズで知られる推理作家ですが、「ヒトラーの試写室」とか歴史の史実に基づいた小説も書いており、そういう点では本作もそれなりに史実に大きく矛盾しないように配慮して書かれています。(もちろん完全なフィクションの部分も多いですが)。大津事件という当時日本にとっては大事件だった史実に配慮し、ホームズ正典にも配慮して書くというのはなかなか神経を使うことなのでしょうね、、、('◇')ゞ、、この為か、途中までは話の進展のテンポが遅く、ややかったるい感じはします。ただ後半から終盤にかけては結構怒涛の展開で一気に読めますね(^▽^)/
ではこちらはいつも通りオマケですが、2024年5月後半に聞いていたプレイリストです。ご興味あればどうぞ。
[http://]
ではでは。
[http://
にほんブログ村:title]