小下段からのチョイ突き

大上段に構えて書こうとしたら、ちっとも書けないので、ゆる~く書き始めました。

ホームズのパスティーシュ本と音楽プレイリスト⑩~「シャーロック・ホームズの事件簿 悪魔の取り立て」、、それにしてもホームズを痛めつけ過ぎ(;'∀')

ボニー・マクバードのホームズ・パスティーシュ第三弾です。アルファベット順に人を殺害する連続殺人事件と、フラン人無政府主義者によるテロ事件の両方が同時進行、、、。果たしてこの二つには関係があるのか、、、。新任のスコットランド・ヤードの警視総監はホームズを邪魔者扱いし、排除しようとするし、新聞記者はホームズの悪口を書き立てるし、で窮地に立たされるホームズ。まあ、色々と盛り込み過ぎのような気もしますが、前二作の冒険活劇的要素と本格ミステリー要素を掛け合わせた作品に仕上がっています。

それにしてもこの作者は、ホームズを痛めつけるのがよっぽどお好きなようで。第一作では鞭打ちの拷問に合って死にかけ、あげくに最後には左足を骨折、、、。二作目では低体温症で死にかけ、更に最後には機械に巻き込まれて死にかけ、、、。今回もホームズは一杯痛い目に遭います、、、。どんなに痛みつけられてボロボロになっても必ず復活するホームズ、、、。まるで宇宙戦艦ヤマトのようです('◇')ゞ

 

1.時期

1890年11月。前作の「Unquiet Spirits」が1889年12月という設定でしたから、今回も前作から概ね一年近く後の話という事になります。

2.登場人物

ジョン・H・ワトソン:登場。本作も筆者が、ある人物から受け取った古いワトソンの原稿を発表するという形になっています。

マイクロフト・ホームズ:登場。このシリーズではホームズ以上の能力を持ち、政財界で絶大な力を持つ兄として描かれています、、。そして本作では前作、前々作以上に出番が多いのですが、、、、驚きの展開に。

メアリー・モースタン(メアリー・ワトソン):登場。今回も都合よく、休暇を取って友人の家に遊びに行く、、、そして夫に対する理解のある妻はワトソンにはホームズのところに行っていいよ、と送り出すのでした、、、。作者も名前だけじゃ可哀そうだと思ったのか、冒頭少しだけワトソンと会話する場面が描かれています('◇')ゞ

レストレイド警部:登場。前述の通りスコットランド・ヤードの新任警視総監がアンチ・ホームズなので苦労しながら、それでもホームズに協力してくれます。

ジェームズ・モリアーティ:登場しない。その代わりこのシリーズではお馴染みの、ホームズのライバル的存在であるジャン・ヴィドックが前作・前々作に続いて登場。

この他にホームズが信頼し、手先として使うヘフズィバ・オマリー(通称:ヘフィ)なる少女が初めて登場します。正典で出て来る「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ」のメンバーでは無さそうですが、似たような位置づけ、、、。多分このシリーズでは続く作品の中で、また登場するのでしょう。それからベイカー街221Bで住み込みの給仕をやっているビリー少年も登場します。こちらは正典(「マザリンの宝石」)でも登場していましたね。前作、前々作には登場していないので、前作後の1890年に入ってから給仕として雇われた、と言う設定なのでしょうね、、、特にそういう説明もありませんが、、、と言うことで登場人物も増え、賑やかな感じになっています。

さて、ボニー・マクバードのホームズ作品の日本語訳は今のところ、この3作目までしか発行されていないようです、、、。アメリカでは5作目まで既に発表されていますが、以前に書いたように日本ではマイナーな「ハーパーBOOKS」が出版元なので、続編の日本語訳がいつ出るのか、待っていたらその内出るのかも分かりません。私は結構好きなので、是非出版して欲しいとは思うのですが、、、。それと、マクバード自身がハリウッドで活躍する脚本家にしてプロデューサーなので、その内映画化されるかも、、こちらも気長に待ちたいと思います。

 

ではこちらはオマケですが。「シャーロック・ホームズの事件簿 悪魔の取り立て」を読んでいる頃に聴いていたプレイリストです。ご興味があればどうぞ。

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