「絹の家」に続いてアンソニー・ホロヴィッツが著した二作目のホームズ・パスティーシュです。最初にお断りしておきますが、
この物語にはワトソンもホームズさえも登場しません(;'∀')(;'∀')、、、
ですが、流石アンソニー・ホロヴィッツ。作品としての完成度は高い、、、と思う。好き嫌いは判れるかも、ですが、、、。
1.時期
物語は1891年4月24日から始まります、、、。これは丁度「最後の事件」でホームズがワトソンを訪れ、一週間ほどヨーロッパ(大陸)に渡るので一緒に来て欲しいと頼んだ日、即ち、ホームズとモリアーティが格闘の末、ライヘンバッハの滝に落ちて相打ちで亡くなった直前から物語が始まる、という事になります。
2.登場人物
・ジョン・H・ワトソン:登場しない。上記の通りホームズは死んだ(と思われていた)時期に当たるので登場しませんが、ワトソン博士も登場しません。ホームズ・パスティーシュ本としては異例なことだと思いますが、、、。ワトソンの代わりにアメリカのピンカートン探偵社から、アメリカの悪党の首領であるクレランス・デヴァルーを追って来たフレデリック・チェイスが語り部となっています。
・マイクロフト・ホームズ:登場しない。
・メアリー・モースタン(メアリー・ワトソン):登場しない。ワトソンが登場しないので当たり前と言えば当たり前ですが。
・レストレイド警部:登場。但し、この物語の中で最も活躍するのは「四つの署名」に登場したアルセニー・ジョーンズ警部の方です。レストレイド警部もグレグソン警部も登場しますが、イマイチ能力が足りないという扱い。更に言えばスコットランド・ヤード内の会議の場面でその他の「正典」作品に登場した警部が殆ど出てきます。出て来ないのは「赤毛連盟」に登場したピーター・ジョーンズ警部くらいですが、ピーター・ジョーンズ警部はアルセニー・ジョーンズ警部の実の兄、と言う設定のようです。シャーロキアンの中ではピーター・ジョーンズ警部とアルセニー・ジョーンズ警部を同一人物ではないかとする説があるのですが、それに答えを出している形。
アルセニー・ジョーンズ警部はホームズと一緒に仕事を何度かした経験から(「四つの署名」以外にも2度程一緒に仕事をしたということらしい)、ホームズに心酔・傾倒し、その結果ホームズに近い推理力を得るに至った。で、前述の探偵フレデリック・チェイスとアルセニー・ジョーンズ警部がクレランス・デヴァルー一味からロンドンの街を守る為の戦いを繰り広げる、と言うストーリーです。
・ジェームズ・モリアーティ:登場。題名が「モリアーティ」ですから当たり前と言えば当たり前ですが('◇')ゞ、、、ですが、やや意外な形での登場となります。
と言うことで、「絹の家」とは全く逆に主要登場人物は殆ど登場しない、と言うサービス精神皆無な内容です('◇')ゞ('◇')ゞ
ただ、それじゃ熱心なホームズ・ファンに申し訳ないと思ったのか、物語の後に
「三つのヴィクトリア女王像」と言う短編が収められており、その中ではいつも通りホームズとワトソンが登場します。(アルセニー・ジョーンズ警部がホームズと一緒に仕事をしたもう一つの仕事、と言う形です)
確かにこの短編が無いと消化不良感を解消できないような気はしますね、、、。
さて、いつも通りこちらはオマケですが、「モリアーティ」を読んでいた時に聴いていたプレイリストです。こちらもよろしかったらどうぞ。
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