タイトルと表紙のデザインから、「まさか恋愛小説?」と思ったりして一瞬購入するのを躊躇いましたが、読んで見たら結構面白かったです。
物語は老齢になった「現在」のワトソンが、故人となったホームズの伝記を執筆しようと思い立つところから始まり、それが「過去」のホームズの知られざる恋と、公表されなかった事件の真相を明かして行く事に繋がる、と言う形で進行します。そしてその公表されなかった事件には、南ドイツはバイエル王国のルートヴィヒ2世が関係して来る事になります。私はミュンヘンに住んでいたので、ノイシュバンシュタイン城には何度も行った事がありますし、ルートヴィヒ2世というのも親しみのある名前です。なのでこの小説の世界に入り込みやすかったと言うところはあるかも知れません。これらの名前に親しみの無い人にはそれ程面白くは感じないかも、ですがプロットとしてはそれなりに良く出来た小説だと思います。
1.時期
ワトソンがホームズの伝記を書こうと思い立つ「現在」の方は1922年12月21日から始まります。この時点の2年前にホームズは亡くなっている、と言う設定です。一般的にはワトソンは1852年生まれとされているので、70歳と言う事になります。
一方「過去」の物語は1886年春に始まります。ワトソンはホームズの冒険譚を書こうといろいろと準備・練習を始めている、そういう時期と言う設定です。ちなみにルートヴィヒ2世は1886年6月13日に亡くなったので、この物語を成立させるにはこの時期である必要がある訳ですね。
2.登場人物
・ジョン・H・ワトソン:登場。老齢のワトソンは「大丈夫」と言いたくなるような、痛々しい感じ、、、(;´Д`)
・マイクロフト・ホームズ:登場。但しほんの一瞬だけ。
・メアリー・モースタン(メアリー・ワトソン):登場しない。但し「現在」の物語の中で、ハドソン夫人やワトソンの小間使いの女性が登場しますが、この女性の名前が「メアリー」だったりします。
・レストレイド警部:登場。「過去」の物語の中で、若き日のレストレイドが登場します。
・ジェームズ・モリアーティ:登場しない。
この他、「現在」の物語の中でベイカーストリート・イレギュラーズのリーダーであったウィギンズが大人になって登場。ウィギンスは精神科医になっているのですが、彼が患者の心を開かせる為に使っている犬の名前が「トビー」だったりします。更にアイリーン・アドラーも意外な形で登場します。また上述の通りルートヴィヒ2世やその廷臣たちが登場する他、ホームズがミュンヘンを訪れた時には少年時代のアルベルト・アインシュタインと会ったりした事になっています。(アインシュタイン自体は登場しませんが)
ところで、この本はメルカリで購入しました。実はメルカリでものを買うのは当方初体験、、、('◇')ゞ、、、今までアマゾンや楽天のような通販サイトばかりで本を探していましたが、メルカリで探すと「こんなホームズ・パスティーシュもあったのか」と新しい発見がありますね。それに通販よりかなり安く手に入る、、、(^▽^)/、、、もうそろそろ長編パスティーシュはネタ切れが近いか、と思っていたのがまだ芋づる式に出て来そうです、、、。本人的にはそろそろ短編集の方に移行しようかと思い始めていたのですが、、、('◇')ゞ('◇')ゞ('◇')ゞ
ではこちらはいつも通りオマケですが、今回は2024年10月のプレイリストです。
写真はノイシュバンシュタイン城です。
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もう10月だというのにまだまだ暑いですが、秋っぽい曲を選んで作ったつもり、、、。ご興味がある方はどうぞ。
ではでは。
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