タイトルからは超常現象を扱った内容かと勘違いしそうですが、そうではありません。ホームズ・パスティーシュにはあくまで科学的・現実的・論理的に推理とストーリーが展開されるものと、幽霊だとか吸血鬼だとかクトゥルフ神話だとか、そういった超常現象を認めてしまった上でストーリーが展開されるもの、、私は「異世界もの」と呼んでいます、、、の二種類があります。
この小説はあくまで前者、、、。壁抜け等の奇術を行い「脱出王」の異名をとった世紀のマジシャン、ハリー・フーディーニが登場します。
フーディーニは母親の死後、一時期降霊術に傾倒した時期があったが、奇術師の知識の洞察力で霊媒師のインチキを見破ってしまい本物が居ない事に気づき、以降これを暴くサイキック・ハンターとしても活動しています。フーディーニとは心霊術に擁護的立場であったコナン・ドイルとも一時期親交があったが、その後袂を分かったようです。また、フーディーニは飛行機にも造詣が深かったようで、その辺りの関係も盛り込まれ、一方ホームズ正典に対するオマージュ的要素もあり、とても上質な出来の小説になっています。
1.時期
この物語は1910年4月に始まります。ホームズは一般的には1854年生まれとされているので、この時だいたい56歳くらい。ワトソンはホームズより二つ上なので58歳、、、でも二人とも元気です(笑)。一方フーディーニは1874年生まれですから36歳。まだ本当に売れ出す前、と言ったところです。
2.登場人物
・ジョン・H・ワトソン:登場。ワトソンがフーディーニの死後、その妻であるベスに対して送った手紙と共に未発表原稿が、後年になって見つかったと言う体裁になっています。
・マイクロフト・ホームズ:登場。あまり目立った役割ではないですが。
・メアリー・モースタン(メアリー・ワトソン):登場しない。メアリーは既に亡くなっていますので。
・レストレイド警部:登場。ちょっとホームズには反抗的なレストレイドです。
・ジェームズ・モリアーティ:登場しない。
「どんなにあり得そうもないことでも、可能性を一つづつ排除していって、最後に残ったもの、それが真実だ」と言う名セリフですが、本来超常現象はこの「最後に残った真実」にはなり得ないですよね、、、あくまで排除される可能性の方であって、、、私は「異世界もの」の方もそれなりに楽しく読めますが、、、('◇')ゞ
ちなみに本小説の作者、ダニエル・スタシャワーは奇術師にして小説家、と言うことです。なるほど、、、でも奇術の種明かしはありません。
ではこちらはいつも通りオマケですが、2024年6月後半のプレイリスト(今も丁度聞いています)をご紹介します。ご興味あればどうぞ。
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ではでは。
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