小下段からのチョイ突き

大上段に構えて書こうとしたら、ちっとも書けないので、ゆる~く書き始めました。

ホームズのパスティーシュ本と音楽プレイリスト㊱~「ホワイトチャペルの恐怖」、、、ここまで来ると、まるで伝記小説のような感じ('◇')ゞ、、

「ホワイトチャペルの恐怖」と言う題名から、分かる人には分かりますよね('◇')ゞ、、そう、これも「切り裂きジャック」事件に関すルホームズ・パスティーシュです。

ホームズが活躍した時期と切り裂きジャック事件が発生した時期は重なっており、にも関わらずホームズ正典には切り裂きジャック事件に関する言及は無し、、、と言うことで、実はホームズはこの事件に関わっていたのだ、というパスティーシュは数多くある訳です。ここでこれまで紹介しただけでも、エラリー・クイーン「恐怖の研究」や、M.ディブディンのシャーロック・ホームズ切り裂きジャック、あるいはレストレイド警部を主人公としたM.J.トロ―の「霧の殺人鬼」などがそうですね。

で、この「ホワイトチャペルの恐怖」ですが、実際の切り裂きジャック事件の経緯及びホームズがこの時期に取り組んだ他の事件について、時系列的、内容的に矛盾が無いように詳細に調べて描かれていることが分かります。上下巻とも巻末に大量の編注があり(この小説も形としてはワトソンが残した手記を元にして書かれているという建前なので、作者はワトソン、編者が著者である人物と言うことになるのです)、もうここまで来ると伝記小説のような感じ、、、。あまりにも詳細なので、途中物語の進む方がややかったるいという感もあり、飽きてしまう読者も少なくないような気がしますが、私自身は編注も含めて非常に楽しく読めました、、、。やはりだいぶオタクになって来た証拠でしょうか、、、('◇')ゞ('◇')ゞ('◇')ゞ

 

 

1.時期

切り裂きジャック事件に直接関わる部分は1888年9月1日に始まり、1888年11月10日に終わります。但し、後日譚のような章として1895年1月28日の章が付け加えられています。実際に切り裂きジャックによる犯行として今日確実視されている事件は1888年8月31日から11月9日の間に起きた5件の殺人事件とされています。

一方この1888年9月~11月というのは(諸説あるものの)一般的に「四つの署名」及び「パスカヴィル家の犬」と言ったホームズ正典の中でも代表的な事件が起きた時期でもあり、ホームズがその探偵業の中でも最も忙しかった時期と言うことになります。上述のようにこの小説の著者であるエドワード・B・ハナは、この辺りを上手く矛盾が生じないように描いています。

 

2.登場人物

ジョン・H・ワトソン:登場。この小説もワトソンの未発見の手記に基づいて書かれているという体裁ですが、文章はワトソンの一人称ではなく三人称で全て書かれています。ワトソンとホームズはそれぞれ単独で行動した時期(パスカヴィル家の犬の時期)があるので、その方が都合が良かったのでしょうが、その結果、良くも悪くも伝記小説的な印象を与えているとも言えそうです。

マイクロフト・ホームズ:登場。

メアリー・モースタン(メアリー・ワトソン):登場しない。但し名前だけは出て来ます。「四つの署名」事件の直後ですから、ワトソンはメアリーとデートしたり、と言った話が出て来ます('◇')ゞ

レストレイド警部:登場しない。この小説ではアバ―ライン警部などの実在したスコットランドヤードやシティ警察の刑事が登場します。アバ―ライン警部は「霧の殺人鬼」にも登場していました。

ジェームズ・モリアーティ:登場しない。

この他、ウィギンズ少年やその仲間のベイカーストリート・イレギュラーズのメンバーが登場したりしますが、ランドルフチャーチルウィンストン・チャーチルの父親)やソールズベリー(当時のイギリス首相)と言った政治家や、オスカー・ワイルドやバーナード・ショウといった文化人等の実在した人物が多く登場します。オスカー・ワイルドやバーナード・ショウはニコラス・メイヤー「ウェストエンドの恐怖」にも登場してました。

 

この小説の中ではワトソンの手記の中でいくつか欠落している部分があるとされており、ホームズが死んだとされていた「大空白時代」の部分もその一つで、従ってこの切り裂きジャック事件が大空白時代の原因となっていると言うことも示唆されている訳です、、、と言う事で真実は明かされない訳ですが、それが一番真実っぽかたりして、、('◇')ゞ、、、奇をてらったところは無いですが、非常に良く出来たパスティーシュではあります。

 

エラリー・クイーンの「恐怖の研究」について書いた記事はこちら

usankusai.hatenablog.com

 

M.ディブディンの「シャーロック・ホーム対切り裂きジャック」の記事はこちら

usankusai.hatenablog.com

 

M.J.トロ―の「霧の殺人鬼」に関する記事はこちら

usankusai.hatenablog.com

 

では、こちらはいつも通りオマケですが、2024年10月後半のプレイリストです。久しぶりにプログレ縛りです、、、('◇')ゞ、、、ご興味のある方はどうぞ、、。

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ではでは。

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